Complete One EA(コンプリートワンEA)
1. Complete One EA(コンプリートワンEA)とは?
コンプリートワンEA(Complete One EA)は、オンライン小売外国為替投機的トレーダー(MT4メタトレダー)専用の自動売買システムです。
販売価格は217,800円となっていて、気軽に買うには高価なものかもしれません。
しかし、 MT4を使うことには自動売買プログラムの自動での取引やバックテストができるなどのメリットもあります。
もともとはグローバル・ロイズ株式会社として販売していましたが、2020年7月1日から株式会社Logical Forexに社名を変え販売されています。
グローバル・ロイズはこれまで、これまで自動売買システムを販売したことがありませんでした。
「EAの闇」に足を踏み入れたと言う初めての自動売買システムの販売となった「コンプリートワンEA(Complete One EA)」は、定価が20万円を超えるにも関わらず、コンプリートワンEAのフォワード成績はひどいと言われ、保有資産の下落に耐え切れず、EA運用を中止したという声もあります。実際はどうなのでしょうか。
販売時の公開データなどをチェックすると、1回当たりは小さな利益を取るものの、損失が起きた時には1回あたりのそれが大きいという、いわゆるコツコツドカン型EAであることがわかりました。
コンプリートEAにおける利益と売上がゼロとなる損益分岐点は、94.56%だと言われています。このことから、コンプリートワンEAの勝率が94.56%を切ると、破産確率が高まり、損益が出始めることになります。
コンプリートEAの販売ページでは勝率95.3%と謳われていますが、よく考えれば、これは当たり前のことだとわかります。EAの配当性向が0.1しかありませんから、勝率が94%を切ることは破綻リスクを抱えることでしかありません。
また、過去の値動きに帳尻を合わせて作れば、テクニカル分析がしっかりできてなくても バックテストで良い結果を残すこともできてしまいます。
もちろん、勝率94.56%が下回ったからといって、即時に口座破綻するわけではありません。しかしこの勝率を下回ることになればドローダウンを発生させることになります。これが一時的なものであり回復するならば、この保有資産の下落によって起きた損失は取り戻すことができ、含み益に跳ね返すことができます。
しかしながら勝率94.56%達成できない期間が長引くほどに、大幅な保有資産の下落に繋がることは言うまでもなく、大きな損益となる懸念が生まれざるを得ません。
コンプリートワンEAは、自己回帰モデルEAを取り入れたものです。これはコンプリートEX自身が高い勝率のエントリーポイントを選んでくれるという感動的なもので、初心者の救いとなるものでした。
トレードの実践経験がなく、特にEAを勉強したわけでもないという状態で、それなりの利益を目指せるという完全自動売買システムを使いこなせることが謳われていました。
従来のEAでは攻略できないとされていたれぞれの相場環境の変動や変化に対してもコンプリートワンEAは敏感に対応し、より効率的に利益を生み出すことを可能にしたのです。
EAがそれぞれの相場に自動的に対応するので、今この瞬間に最も旬なトレードをすることが出来るわけです。
ちなみに、コンプリートワンEAの対応通貨ペアは全通貨ペアに対応可能ではあるものの、推奨される通貨ペアはユーロドル、ユーロ円、ポンド円、ポンドドルとされています。
自己回帰モデルを取り入れているコンプリートワンEAであれば、FX初心者であっても、完全自動でトレードを放置していても再現することができると言います。
通常のEAは、チャート上に示されるサポートツールを頼りに決められたプログラムの通りに売買を行ってきましたが、コンプリートワンEAは、過去のデーターから、今この瞬間の「旬」を即座に見出し、売買ルートを自動で導いてくれます。これが「世界初」のロジック「自己回帰機能」というものだそうです。
この「自己回帰モデル」を搭載したコンプリートワンEAが実際にはどの程度役立つかについて判断する一つの材料として、売買ルールの有効性を過去のデータに基づいて、一定期間をクリアカットして、そのパフォーマンスをシュミレートするバックテストがあります。
このことで、直近で行われている値動きの自動的に学んで、今の値動きを予想した上で、ここでも自動的に反映させる自己回帰モデルは評価できるものであったと思われます。投資家が行う操作による数値変更とEAのオンオフくらいで自己回帰モデルをトレンドフォローシステムのポジション変更できません。
またコンプリートワンEAは、完全に使わなくなるタイミングが難しいというところもあります。
「コンプリートワンEA」を含め、自動売買システムは一般的に基本的なトレードロジックを取り入れており、このルール通りにのみ実践して行こうとしてきました。そもそもEAの良いところは勝手にやってくれるところでもあります。
そして、FXは全体を通して、トレードルールに沿って、一定のルールに従うと成績が安定すると言われています。
しかしこれは逆を言えば、従来のEAはあらかじめ決めた条件にしか反応せず、それを自ら迅速に導くことはしなかったため、それぞれの相場環境を見出すことができず、良くも悪くも「命令通り」にしか動かなかったということになります。
つまり、それは相場環境がどのような状況に陥ったとしても、ひたすら忠実に命令を守りトレードし続けるということになります。
このために、これまでは自動売買システムとは言っても、相場の判断は必要となり、それぞれの相場ごとにEAを配置しなければなりませんでした。その上、スタイルを切り替え続ける必要があったのです。でなければ、相場環境の変動や変化への反応が大幅に遅れる結果となり、損益が生まれる事態となりました。
自動売買システムを自ら作り出そうと思えば、まず、取り入れようとするトレードロジックを作り、それをシステム化して反応させます。そして、クリアカットの場所を変えて、繰り返しバックテストをして評価を行い、修正や改善します。もちろん、修正や改善のために、バックテストを繰り返し、評価しなければなりません。
長期にわたるバックテストに耐えることができる自動売買システムの構築や、明らかに突出したバックテストの結果は、実践で使うことはないとわかっています。
ただ、バックテストの期間が短いEAや、ごく平均的な結果しか出せないEAは誰も飛びつかない、すなわち売れない商品となるという現実があることも事実で、これに板挟みになることがEA開発者や販売者の悩みとなると言われています。
「コンプリートワンEA」は購入することで、会員サイトにログインする権限が与えられます。
この会員サイトは、EAのダウンロードや、EAのそもそものコンセプトである自己回帰の説明など、EAにおける動作方法についての説明が主なコンテンツとなっていて、いわゆる取扱説明書のような役割を果たしています。
また特典は、仮想専用サーバーのマニュアル、FXに必要となる基礎知識のマニュアル、さらにMT4操作マニュアル、トレンドの強弱に迷うことなく稼ぐことができる通貨を見極める裏技、完全自動であるEAを使っての億トレーダーを目指す心得、完全自動EAで勝ち続けるための3ヵ条など、多岐にわたるコンテンツが用意されています。
2. 口コミ評判
「コンプリートワンEA」の勝率は約95%以上と高い数字を謳っているものの、毎月50%以上のドローダウンが発生しているとも言われています。
このことから、典型的な「コツコツドカン」タイプであると言えます。この勝率約95%というのは、損益分岐点のギリギリの数字でもあります。
また決まった命令通りにしか動かないはずのEAで勝ち続けること自体がおかしいという声もあります。そして決まった命令に従い続けることで、勝ち続けるならば、裁量トレードで勝てるということになります。
しかし、「コンプリートEA」が取り入れた自己回帰モデルは相場環境に自ら対応することを実現させたと言われています。
そもそも「バックテストの結果」というのは過去の相場を対象にした結果でしかなく、それを基に、過去ではなく、現在や未来に対応するのは無理なのではないかという見方もあります。
もちろん、過去の相場を対象にした考察や検証を行い、そこから現在に活かすことは大切ですし、これまでのバックテストの結果が良いという結果は悪いことではありません。
しかし「バックテストの結果」は、過去の相場に対応可能にする売買のロジックを作り上げていくという開発を進めれば、その結果は次第に良いものにすることは、いくらでも可能です。
バックテストが、現在の相場環境にどれだけ敏感に反応できるのかを見極める必要があるのかもしれません。
3. まとめ
「コンプリートワンEA」は自己回帰モデルというものが採用されています。
この自己回帰モデルとは、簡単に言えば、過去の相場環境のパターンを適切に分析していくことで、現在や未来がどのような動きを見せるのかということを敏感かつ即座に導き出し、勝ちに持っていくというシステムです。
これを活用することで、トレードの実践経験がなかったり、EAを勉強していなくても、利益を生み出すことができるというということが謳われていたのが「コンプリートワンEA」です。
実際これまでは、EAを用いたとしても、それぞれの相場に合わせたEAを配置し、これを自分で切り替える必要がありましたから、この点においてだけでも優れものかもしれません。
しかし「コンプリートワンEA」が謳っている勝率は、損益分岐点ギリギリであるとも言われており、いわゆる「コツコツドカン型」であり、小幅な利益でありながら、損益が発生すると大きいというタイプのようです。
何を求めるか、また何を良いものとするかの基準は、それぞれ違うのでしょうから、一概に結論を押し付けるわけにはいきませんが、保有資産の下落に耐えられなかったという声が多いということは、そこに至る弱点があるのかもしれません。